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Alberto Giacometti [絵画]

心斎橋の ESPACE Louis Vuittonで Alberto Giacometti 《大きな女性立像Ⅱ》展が開催されています。

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1960年 暗褐色の緑青を施したブロンズ Susse Foundry(1961年鋳造、エディション1/6)
277 x 29 x 57.2 cm

ジャコメッティの作品はこうした極端に細く、長く引き伸ばされた人物彫刻を観ます、が、しかし、私がジャコメッティの存在の凄さを知ったのは、彼のモデルとして、偉大な芸術家との対話を、制作の過程をも忠実に記録した、そのモデル矢内原伊作氏著書【ジャコメッティと共に】を読んでからです。
デッサンに明け暮れていた頃にこの本と出会いました。


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ジャコメッティはシュルレアリストから離れ「ただ人間の頭像を主題に扱いたい」と実在のモデルのみと向き合い、他の誰よりも矢内原に、制作の過程で、日常の会話で、率直な言葉を吐いて、矢内原氏との、その濃密な時間を記した貴重な著書なのです。
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冒頭の序:【ジャコメッティからの手紙】それだけを読んでも、日々彼らの作品制作に対峙する関係性が、如何なるものであったかを知ら占められ、感動の渦に打ちのめさせられます。

1961年の記述:【絶望的な困難とたたかい、試作と破壊を際限なく繰り返しながら彼は言う「私には選択はないこれを続けるか生きるのをやめるか、二つにひとつだ」】


友人からもこの Louis Vuittonでの作品、それに映像をを観て【救われる気持ちになった】と言ってきました。深いところまで聴き及んでいないのですが、その感想を聞いて、この【ジャコメッチと共に】を思い出し、
矢内原氏が第一部Ⅰで【なぜならこの彫刻家は虚無をしっているから】と
付録Ⅰ【ジャコメッティのテキスト】から
【時間は水平の円環になった。時間は同時に空間だった。そして私はそれを描こうと試みた】
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この二ヶ所だけ見ても、今の自分の想いに馳せることがあり、もう一度この著書を読み、《大きな女性立像Ⅱ》展 6月25日までしているので観に行きます。


☆☆この著書とジャコメッティのこと以前にもアップしています。よろしければ・・
https://mirro.blog.ss-blog.jp/2014-03-16

https://mirro.blog.ss-blog.jp/2014-03-15



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つぐみ

難しいことはわかりませんが一目みただけで記憶に残ります。
心斎橋ヴィトンビルで開催されているのですね。
私も行く予定にしています。

by つぐみ (2023-03-09 20:50) 

kome

音楽作っていたときは、時間の横軸と縦軸は意識せざるを得なかったです。(人間の耳って、結構シビアで時間ぴったりよりも微妙なゆらぎが心地よいです)
美術だとどういう感じか、そのうち意識してみます。
by kome (2023-03-09 22:03) 

mirro

音楽は確かに音符どおり、、時間どうりは、ほぼないのかなっと思えます。
音を表現することは、それは、空間と時間の意識でしょうか?
絵画あるいは彫像に於いて、モノを観る時、空間を意識します。
”時間は同時に空間だった”という感覚は、なんか意識できる気がするのですが
”時間は水平の円環になった”というのが判らないのです。
もう一度この本を読みなおし、ジャコメッティの研ぎ澄まされた感覚を
追従できたらと思ったりします。
by mirro (2023-03-10 02:44) 

mirro

つぐみ さん
ジャコメッティ展、私は細い彫像より、頭部のものに興味あります。
by mirro (2023-03-11 01:42) 

響

作者を知ってから作品を見るとより楽しめそうですね。
一筆書きのような絵がすごい迫力を感じます。
by (2023-03-13 06:16) 

mirro

響さん
終わりなきデッサンをする作家で
存在は余りに凄くて我々は敬服していました。
そうです、このデッサンに心揺さぶられていました。
by mirro (2023-03-14 03:40) 

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