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愛でられるモノ [絵画]

多くの人々に愛でられ披露される著名な桜・藤etc.の花々。。

ひっそりと、このベランダでゼラニュームが、緋色のゼラニュームが、翳りのある、こころ騒がせる緋色を魅せているのです、この季節に。。
この緋色の上をふたりの人が通り過ぎて行きました。

ひとりは、今、この盛りに、初めての盛りに出逢い、愛おしくこころの襞に入れ込み、立ち去ったひと。
ひとりは、嘗て、散った花弁を集め、愛おしくその手のひらに包み、立ち去ってしまったひと。

そして、このわたし、暑い太陽が沈んだ後、ほんの束の間、垣間見せた一瞬のこの世のものとは思えない非日常の、あの刹那に、惑わされ、するりとどこかへ逃げてしまった奇妙な緋色に。

この季節の後、あの緋色がまた、立ち上がって来るとは思えないけれど、ふたりの人にこんな風に愛でられた、このゼラニュームの不思議を想う日々なのです。

写真にしても、ましてや絵筆にしても、ナニモノを持ってしても、この私をして、再現できるモノは持ち合わせていないのです。
ただ、この翳りのある緋色を見続ける他は。。。

深く青い刻がやってきて、夜の帳が降りてもなお、闇があたりを占めてもなお、この緋色は今ここに在り続け私を占めているのです。


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「振動」acrylic on canvas 2024 出谷和子



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緋色にはない、この自然のイキモノが描く明らかなモノ!魅せられなんと愛おしいこと!


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これは蛾、蜂、ハエ等の幼虫(絵描き虫という)が葉の中に潜り込んで、葉肉を食べた跡です。
私が見る緋色は、ナニモノの仕業なのでしょう!



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