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裸の王様 [本・雑誌]

先週、開高健さんの文学碑が近鉄南大阪線北田辺駅に完成した。
そこは、彼が若き日過ごしたところで、駅からほんの少し東へ行ったところに
『開高 健』と表札が掲げられた家がある。

私も若き日そのほとんどの毎日を、その表札を横目でみながら駅へと向かった。

子どもの頃から、あそこは『開高 健』という、えらい作家の家なんだ、
と人々が口にするのを聞いていた。
芥川賞をそしてその他いろんな文学賞を受賞した作家が、嘗て住んでいた家であること、
そしてその頃通っていた学校の先輩である事も承知していた。ゆかりの人なのである。
その家の前を通るたびに、私は太く大きく、しっかりと書かれた表札に圧倒され、
そして、出入りする人を一度も見たことのない人気のない家に一抹の不安のようなものを感じ、
芥川賞を受賞したいろんな作家を興味を持って読んでいたにもかかわらず、
私は彼の作品の数々を紐解けないでいた。

除幕式があり、文学碑が完成したというニュースを聞き、
家のイメージだけが私を捉え、多分その表札の呪文から開放されずにいた何十年。
彼の芥川賞受賞作『裸の王様』をやっと読むことができた。


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コメント 4

irojirokoneko

これって、凄い事だと思います。
何かの縁、熟した実、そんな来ました。
私の母も、同人誌など作っていますが、
その心子知らず・・・・、で至らない私です。(〃⌒ー⌒〃)ゞ エヘヘへ
by irojirokoneko (2005-11-12 17:34) 

mirro

ホントどうして読まなかったのか、読めなかったのか・・・・
彼の外側だけはいろんなところで、見聞きしていたのに・・・・

『裸の王様』は子供に児童画を教えている人、絵の具屋さんetc.を
背景に押しつぶされた幼い命に、息吹をかけて行く物語だったんです。
私にも全然関係のないところのモチーフじゃなかったんです。
やっと開高健という人の内側に少しはいれました。
繊細で骨太な人かな、、、(*⌒▽⌒*)

母上の作品にもふれてみて~
きっと新しい発見があるかもですよね(*^_^*)v
by mirro (2005-11-13 01:44) 

anne

お住まいがそんな近くとはしらなかったよ。
先輩としてサントリーにあこがれていたのを思い出したわ。
by anne (2005-11-14 23:14) 

mirro

左様でござる。。。。
まだ寿屋の時代に、トリスのおじさんのキャッチコピーを
世に排出したはったんだよね~♪

サントリーの求人も来てたのに、
なんで受けてみなかったんやろ?;:;:;
まだアルコールの魔力がわからんかったからやろかΨ(`▽′;)Ψ
by mirro (2005-11-15 01:54) 

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