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ヘンリー・ダーガー(Henry Joseph Darger, Jr.) [絵画]

絵を描くことだけではなく、生きていると他人の評価、自分は何のために誰のために絵を描き、生きているんだろうと思ったりします。

ヘンリー・ダーガーという人は1892年4月12日 - 1973年4月13日81才で亡くなるまで『非現実の王国で』という世界最長の小説(1万5145ページ)とそのために描かれた膨大な挿絵(300余点)を誰にも知られることなく、それらの作品を半世紀以上書き続けていました。

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ただ一人彼を慈しみ育ててくれていた父親とも幼い時に死に別れ、人との接触を極端に嫌ったため知的障害児として施設で孤独に過ごし、16才でそこを脱走して清掃員をしながら絶望的な貧困の中これらの作品を創り続けていたのです。。

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これ等の作品は亡くなる前に介護施設へ送られ、部屋を片付けに入った大家さんに発見されたのです。

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このことは新聞の『人生相談』に作家の高橋源一郎氏がヘンリー・ダーガーの生き様を介して答えておられ、この記事のことを友人が話してくれてダーガーのことを知りました。

高橋源一郎氏は ”誰にも知られることなく、自分のために半世紀以上にわたり作品を描き続けていたのです。” と書かれていましたが、私はもしかしたら自分のためでもなく、誰のためにではなく、人間だけが持ち合わせている想像する力、想像する力に導かれそれが面白くて書いて、描き続けていたと思えてなりません。そしてこのヘンリー・ダーガーと言う人は、人間だけが持っている想像するというikimonoが進化の果てに手に入れた最高の道具を駆使し、真の人間として、人生を全うし生き切った人だと思えて強い衝撃に心打たれのです。それと誰のため何故などと思うこともなく、想像の世界に埋没し駆られ、生き抜いた人生を想うと、そこは遭遇してみたいあちらとこちらの際・隙間・hazamaの世界ではないかと思へますが、たまらなく切なく胸が締め付けられる思いで一杯になります。

画像はこちらからいただきました。

後日追記(6/28コメントより)
チンパンジーは目の前のことは想像できても先のことは想像できないと言われています。
人間だけが未来のこと先のことを想像できるんですよね。
日々生きている中で、我々は人間として、他人の遠い人生を想いやることもしますよね。
ダーガはそう言った他人を想いやる想像力はなかったかもしれませんが、人間にだにけ与えられた物を創造する想像力だけで生き切ったのではないかと思えます。それがとても切ないのです。
ダーガーのような特殊な環境の中に生きていない我々は、日々の中でお互いを想像し思い遣っていますよね。言うまでもないことでしょうけれど。。

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つぐみ

いろいろな人生があるんですね。
自分のことで精一杯。
毎日を生きることで精一杯です。
by つぐみ (2017-06-28 21:07) 

mirro

いろんな人生がありますね。
チンパンジーは目の前のことは想像できても
先のことは想像できないと言われています。
人間だけが未来のこと先のことを想像できるんですよね。

日々生きている中で、我々は人間として、他人の遠い人生を
想いやることもしますよね。

ダーガはそう言った他人を想いやる想像力はなかった
かもしれませんが、人間にだにけ与えられた物を創造する
想像力だけで生き切ったのではないかと思えます。
それがとても切ないのです。

ダーガーのような特殊な環境の中に生きていない我々は
日々の中でお互いを想像し思い遣っていますよね。
言うまでもないことでしょうけれど。。

あの暴言を吐いた議員の方は人間としての想像する力に
欠けているのではと思えます。

by mirro (2017-06-28 23:01) 

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